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2011年夏の「スーパークールビス」を考える

2011/06/16 8:58 に web master が投稿
はるやま商事「クールビズに関するアンケート」を出典元としてYahoo!Japanに興味深い記事が載っていました。
http://www.haruyama-co.jp/news/pdf/201105_51802_1.pdf
http://event.yahoo.co.jp/setsuden_guide/theme06/clothes/01.html

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アンケートでは、下の【1】~【5】のイラストから、ビジネスの場では、どこまでが「許せる」と感じる格好なのかを聞きました。

 

「自分が着用して出勤できると思うもの」については、ネクタイ・ジャケットなしの「【1】から【3】まで」が66.2%。逆に「『委託先の人が訪問してくる格好』として問題ないもの」という問いに対しては、58.9%と減少。減少の要因として、一層のクールビズともいえるビズポロ着用の「【4】、【5】まで」との回答が増加しています。具体的な数値を見ると、「自分が着用して出勤できると思うもの」 の5.8%から、「『委託先の人が訪問してくる格好』として問題ないもの」の10.3%と2倍近くまで上昇しました。他人が着用する、より一層のクールビズには寛容でも、自分が着用する分には許容できない傾向があるようです。
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この夏、東日本大震災の影響で節電をする企業がとても増えており、これに伴い「スーパーCOOLBIZ」なる言葉まで生まれてきています。
私の職場では【3】までが社内規定上の許容範囲ですが、すでに【4】近くまで来ている人がいます(笑)。
今回の震災で東北、関東エリアは例年以上の節電が求められ、一層のCOOLBIZが促進されると言われていますが、反面どこまでがビジネスウェアとして耐えうるのかは大きな話題となっています。

そんな中での今回のはるやま商事(P.S.F.Aなども経営している「紳士服はるやま」です)の調査結果は興味深いものがあります。
アンケートでは過半数の人が【3】までを許容していますが、「他人が着用する、より一層のクールビズには寛容でも、自分が着用する分には許容できない傾向がある」というところがポイントです。
なぜ他人は許せても自分の服は許容できないのでしょうか?

やはりこのあたりに日本人の保守的な発想が見え隠れしているように思われます。また、COOLBIZの先には必ず「カジュアルファッション」が控えていますので、スーツのようにルールのないカジュアルファッションの着こなしに関する自身の有無も影響しているのではと考えます。

私自身はこのようなサイトを運営していることもあり、COOLBIZは許容すべきという考えですが、そこにstyling reportでも触れた「T.P.O」という発想を忘れないようにすべきと思っています。
ポイントとしては「カジュアル=どうでもいい格好では無い」ということです。
他人から見て「だらしない」「不潔」と見られる格好ではいけませんし、過度に着飾りすぎるのも問題です。
要は「さじ加減」です。
COOLBIZの源流として「ビジネスカジュアル」がありますが、これも「カジュアル」である以上、明確な定義は無く、結局のところ個人の裁量に負うところが大きいものです。

例えば、20代前半~半ばぐらいの人なら、オフタイムに来ているようなかっこいいTシャツ+こだわりのジーンズあたりで出社してみたいところでしょうが、40~50代の部長クラスの方が同じ格好をすべきでしょうか?ぎりぎりオーセンティックなデザインのポロシャツ+チノパンが限度でしょう。また、一日取引先や社内の大きな会議に出ず、難しい作業をしている場合、暑苦しいところならTシャツのような楽な服のほうが集中力が出るかもしれません。

また、単純にカジュアルファッションとしてコーディネートするよりも、このようにある程度制約があるコーディネートのようが、実は高度なテクニックが要求されるものです。一見他の人と同じですが、実はしっかりこだわりが見えている。
それは計算されたシルエットかもしれませんし、繊細な生地、細かなディティール、微妙なカラーコーディネートかもしれません。むしろこういった事をポジティブに楽しみながら涼しく過ごしたほうが暑い日々を楽しみながら暮らせるというものです。

COOLBIZの根幹には「節電により、被災者の方々に少しでも役に立とう」という発想があります。
その点を忘れずにこの夏を過ごしていきましょう。
 

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