2.A.P.C. 磨耗キット
これは以前A.P.C.で売られていた商品です。価格は1,000円(消費税別)
A.P.C.のサイトでは本品を以下のように紹介していました。
「A.P.C.が作成したこの摩耗キットにより、ノンウォッシュのジーンズを直ちに古びさせることが出来ます。
キットはサンドペーパーのミトン手袋とノンウォッシュデニムのテスト用生地そしてJean-Philippe Delhommeによる使用説明書から成ります。」
簡単に言えば「ジーンズ加工専用紙やすりセット」という訳ですが、中には以下のアイテムが入っています。
-
サンドペーパー手袋×2
- デニム生地(赤ミミつき)×1
- 説明書×1
手袋はかなり荒め(おそらく150~200番手)くらいのヤスリでしょうか?
説明によれば「直ちに古びさせることが出来ます」だそうですが....。
これは説明書の表&裏表紙です。裏表紙には完成イメージ(膝ダメージ&Hipダメージ図)が描かれています。
尚、この説明書、フランス語、英語、ドイツ語、そして最後に日本語とわざわざ4カ国語で書かれています。
以下、日本語表記を「そのまま」抜粋して紹介します。
「fig.1」
「a)A.P.C.サンドペーパー手袋をしてください。楽な姿勢を選び、左右対称に擦ってください。色落ちをさせたい部分に小さく前後の動作を行います(繰り返します)。
満足な色落ち具合を得るまで続けてください。」
モデルのイラストは女性のようです。
「b)この作業に第三者が参加することによって楽になります。
c)ジーンを洗うこと。」
第三者(男性)が女性のHipを擦って色落ちさせてます。女性はその間一服。
「d)汚れた感じを与えるには、汚いところに放置すること。」
この表現はすごい。「汚いところ」として男が「ゴミ箱」に入ってしまっている。
このページの後、裏表紙の加工後状態のイラストで終了です。
説明は以上ですが、正直この商品は全く役には立ちません。一応「サンドペーパー手袋」をはめてみようかと思いましたが、あまりにも中が砂でザラザラしていた為、すぐにあきらめました。
しかもこの手袋、縫い目からサンドペーパーが少し破れています。おそらく手をむりやり入れたとたんビリビリに破れてしまうのでしょう。またこのヤスリ自体がかなり荒めなのでちょっと擦るとデニムの糸がバンバン切れてしまいそうな恐ろしい品物です。
しかしながら、ジーンズメーカーでこんなものを売っているところは他にありません。決して役には立たなくても、実際にはまったく使えなくても、「売る」という行為に「ジーンズをもっと楽しみましょう」という姿勢が感じられて非常にうれしく思います。※残念ながら現在は販売しておりません。
3.EDWIN USED X REPAIR KIT
1.2.は海外ブランドのジーンズグッズですが、過去にはEDWINでも似たようなアイテムが存在していました。
これは冒頭のNudie Jeansと同様ノベルティグッズで、単独では販売していませんでした。
(以前原宿にあったEDWINの直営店でジーンズを購入した際に頂いたものだったはずです。)
名前は「USED X REPAIR KIT」。ちょうど紙マッチほどの大きさのちいさなものです。
中身はこれ。
①ヤスリ付きの本体(厚紙製)
②取り扱い説明書(すべて英語)
なぜ説明書がすべて英語なのかは不明。海外でも配布していたのでしょうか。
書いてある事を意訳するとこんな感じでしょうか。
1)gather one portion of the hem and sand-paper it.
縁の一部を集めて、それをサンドペーパーで包んで擦ってください。
2)repeat it and complete around of the hem to be worn-out.
それを繰り返して、疲弊した状態の縁を完成してください。
これはEDWINが「USED X」という中古加工を大々的に展開していた時代に、裾上げで裾部分がダメージの少ない状態になった場合を想定して作ったグッズです。
実際にこれをやるには市販の紙やすりで十分なのですが、こういうグッズを用意するメーカーの姿勢が素晴らしいと思います。
国内No.1メーカーとして、これからもこういった遊び心のあるグッズを提供して頂きたいものです。