2.作業-1 削り
では、上のものが揃ったところで作業開始です。おおむね以下の手順で行います。
(1)裾の加工
①横方向に削る(下写真 左) 図の矢印のように横方向に擦ります。あまり削ると簡単に緯糸を切りますから、かなり柔らかめに「なでるように+α」ぐらいでやりましょう。時々様子を見て気に入ったアタリになった所でストップです。
①  ②
②縦方向に削る(上写真 右) ①の作業と同時に時々縦方向にも擦りましょう。
縦方向の削りのは「ステッチの上のアタリ」に効果を発揮します。 実際に履きこんだジーンズを見てもらえると分かりますが、アタリはステッチの上下両方にあるものです。
③ウネリを出すコツ(下写真 左) 裾の加工は「ウネリの強調」がポイントですので、削る際にそれが出やすいようにして行うと効果的です。
その際には左の写真の「内折り」にしてその内側を削るのが良いでしょう。 逆側を削ると通常凹の部分も撫でてしまいます。
③  ④
④裾の頂点(端)を削る(上写真 右) 側面がある程度できたら、裾の頂点も軽くヤスリをあてておきましょう。
⑤横のステッチを削る
裾は外と内側の2箇所の縫い目と直角に交差する部分があります。(写真赤○部分) ここは裾において最も凸がある部分なので、その上のステッチから自然にアタリが出ているように削っておきます。
(2)その他部分の加工
①アウト&インシーム(下写真 左) ~A
ジーンズの脚部の外と内の縫い目部分です。
501やこのジーンズは「脇割り」シームなので、赤ミミジーンズに近いアタリができます。
矢印の方向に軽くなでるように擦ります。
できるだけ平らな場所で行ったほうがきれいなアタリがでます。
① ②
②腿-1(上写真 右) ~B
内腿部分です。
この辺の場所は実際に座ってシワを出した状態で擦ります。
この部分は一方方向に擦ると「線」状にアタリが出てかなりわざとらしくなるので、できるだけ「面」でアタリを出すように心掛けると良いようです。 その為、円を書くようにいろんな方向から「なでなで」するのが良いでしょう。
③腿-2(下写真 左) ~C
内腿上部分を擦っているところです。
③ ④
④腰骨下(上写真 右) ~D
腰骨下の部分です。この辺は加工ジーンズの最も弱いところの一つなので、この辺がアタっていると自然な感じになります。
⑤膝横(下写真 左)
ここも④同様、前~横に繋がるようなシワのアタリを出します。 ②同様、「面」でのアタリを心掛けると良いでしょう。
⑤ ⑥
⑥ひざ裏(上写真 右)
ここはよく「くもの巣状のアタリ」と言われるところですが、何しろ履いたままでは加工ができない部分で一番難しいところです。
あらかじめ履いておいて生地に癖がついた状態で図のようにくるくる擦ってみました。
あまりアタリが出ないようでしたら一度洗って固めの状態の時に再度行うのが良いでしょう。
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