(3)完成できあがりの全体写真はこんな感じです。
A~Dはそれぞれ(2)その他部分の加工の①~④の部分です。加工前の状態と比べシワが増えているのがわかりますか?新たに擦ってアタリを出した部分はちょっと青白くなっているのが分かると思います。 腰まわりをアップした写真です。(上写真の右)上で書いた「青白い追加のアタリ」がよく分かると思います。
裾部分です。
アタリはけっこういい感じについています。 裾だけ見るとそれ程違和感は無いと思います。 以上のように新たに自分の体にあわせた「アタリ」を追加することができました。
ただし、新たに擦った部分は他のアタリと明らかに違う色をしています。これは元々のジーンズが後でカラートッピングしているものに良く見られる事で、あまりトッピングしていないジーンズの場合はこの後数回の「洗濯&履き込み」で馴染んできます。
しかし、今回のように「明らかに後加工」が目立つ場合は単なる履き込みでは中々馴染みません。 そこで次のステップを実行しました。 3.作業-2 染め何かと言うと、「再度染めを加える」というものです。
100%製品状態の加工部分と馴染ませるのは無理ですが、後染めでかなり違和感は解消されます。
やり方はレポート「トッピング~うっすら染め」を参考にして下さい。
ただし液の濃さや染めの時間はレポート記載内容の半分程度で十分かと思います。 また、染め加工後、一度乾かしたら再度アタリ部分を軽く擦ってメリハリを付けると良いようです。 これがトッピング加工後の姿です。 どうですか?上の写真と比べてアタリ部分が自然になっていると思います。 実は今回、前回の加工のついでにやったので、前回の染め加工の残り液を使いました。その分やや赤っぽい色になりました。
また、染めが濃い目になったので、元々「ミッドナチュラルボディ」だったのが「ダークナチュラルボディ」のような色になっています。
ここが今回の力作。
この加工をする前はまったくのつんつるてん状態でした。かなり雰囲気出てると思います。 こういう時、裾の縫製でちゃんとウネリが出ていると助かるものです。
ジーンズの裏側。
思いっきり染まっています。 4.おわりにジーンズを買ったら裾上げするのが当たり前の多くの人にとって、困る事は「裾のアタリ」です。
昨今のウォッシュ加工ジーンズのように、アタリ加工されているものはせっかくいい雰囲気で加工処理されている部分が裾上げするとそこだけつるつるの新品状態になってしまい、アタリが付くまで時間が掛かります。 それを何とかできないものかというのがこういう加工のきっかけでした。 実はもうかれこれ何年も前から色々な方法でチャレンジを繰り返していて、当然失敗もいっぱいしました。
そんな経験を経てここで紹介する方法で落ち着いています。 もちろんヴィンテージ&レプリカジーンズ系の方々には「そんな加工は邪道だ!!自分で履きこんでこそ色落ちが楽しめるんだ」という方もおられると思います。まったくもっておっしゃる通りです。
でも日々スーツを着てサラリーマンしているがジーンズが大好きな人間に、とても色落ちを楽しむ時間はありません。そこで、こういう加工で色落ちの雰囲気を味わうのも楽しみ方のひとつでは無いかと思っております。 また、こういう事ができるとジーンズ以外の服(チノパンや綿ジャケット等)にも応用が利くので結構洋服自体の楽しみも広がります。 皆様も是非一度お試し下さいませ。
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