4.裾加工後の「毛抜け状態」の再現
ヤスリによる擦りも靴による潰しも基本的には「擦り」加工です。
やってみた事がある人はお分かりかと思いますが、擦り加工をすると必ず色がほつれて「毛羽立ち」が目立ちます。(左の写真)
しかしながら、他の加工部分を見てお分かりの通り、ダメージを受けた部部が毛羽立っている箇所は他にありません。
本来の履きこみによるダメージの場合は、繰り返しの擦れや洗濯で毛が抜けていきますので、毛羽立ちがありません。 また、加工ジーンズはこれを短期間で再現する為に、酵素や脱色剤などを使って毛羽立たないような加工をしています。
プロの加工のように酵素や脱色剤などを使う事はできませんが、もうひとつ、ジーンズ加工で有名な毛羽立ちをを抑える方法があります。
それは「毛焼き処理」というものです。その名の通り、火で毛羽立ちを焼いてしまうのです。 左の写真は100円ライターでヤスリ掛け等で毛羽立った裾を焼いているところです。
かるくなでるように燃やすだけで、簡単に毛羽が燃えていきます。(このときに燃やしすぎないようにくれぐれもご注意を。あくまで「表面を軽くなでる程度」です。)
左が毛焼き加工後の写真です。経糸がちょっと焼けているのが分かりますか?また、毛羽立ちも少なくなっています。
この「毛焼き」をヤスリ掛けと交互に行う事で、ある程度毛羽立ちを抑えたダメージ加工をする事ができます。 尚、焼けて色が変わった部分は、多くが洗濯で綺麗になります。
※くれぐれも火の取り扱いにはご注意を。間違ってもジーンズを「燃やす」事の無いように、バケツに汲んだ水などを脇に用意し、火を扱っても良い場所で行って下さい。
5.加工前後の比較
右の写真が「2.」~「4.」の加工を数回繰り返し、洗濯をした後、さらに軽くヤスリ掛け&毛焼きを行った状態が下の出来上がり写真です。左の未加工部位写真と比較すると、それなりに雰囲気が出ていると思いませんか。
さすがにプロの加工には適いませんが、この状態でもあり程度「履きこんだ感」は出ていますし、ここから先さらに自分で履きこんでいけば一層味が出てきます。
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