1.秋~冬の着こなし
秋冬の着こなしには「防寒」という重要な目的があるので、以下のような特徴があります。
- 保温性のある服、防寒性の高いを着る。
⇒厚手の服が増える。高価な服が増える。
- 重ね着により防寒性を高める組合せをする。
⇒重ね着によりコーディネートの幅が広がる。 ※重ね着についてはこちらのコーナーで詳しく触れています。参照して下さい。
実際に秋~冬にかけて服を着る場合の、トップスアイテムの順序を以下に記します。左側の「肌着」から、素肌に近い順番だと思って下さい。
「秋~初冬の組み合わせ」
9月~11月頃の、朝晩以外はそれ程寒くない時期を想定した組合せ。基本は「インナー+アウター①」です。
春と秋は基本的には同じ組合せです。 秋~初冬の場合、春より厚手で保温性のある服を着たり、マフラーや手袋など小物を加える事により防寒性を高めます。
これは12月~3月頃の真冬を想定したものです。
上の組み合わせにアウターがさらに加わり 「インナー+アウター①+アウター②」の3つの組み合わせが基本になります。 ※インナーに厚手のニットなど防寒性の高い服を合わせる場合、その服が左のAとBを兼ねることで「インナー+アウター2」のみの組合せになる場合があります。
また、同じ「ジャケット」でもアウター②に適したもの、アウター②の内側に半分インナーとして着るもの(アウター①)など、様々です。 アウター①用のジャケットは春秋用のジャケットと兼用できますが、アウター②用のジャケットは防寒性が高く、春の着こなしには向かないものが多いようです。
上の「秋~初冬」と「真冬」を比べると、ジャケットやニットのように、同じようなアイテムでもアウターになったりインナーになったりするのも秋~冬の着こなしの特徴のひとつです。
ここから、秋冬用の代表的なアイテムをカテゴリー別に紹介していきます。 ※春夏用アイテムと兼用できる服(主にシャツなどのインナー系)はここでは省略しますので、予めご了承下さい。
2.コート
コートはどんな季節でも必ず一番外にくるアイテムです。
紳士服のコートは、ミリタリーウェアを起源とするものが多いですが、ここでは主にスーツなどに合わせることの多い「ドレスアップ系」のコートと、カジュアルな着こなしに向いている「カジュアル系」に分類して紹介します。
カジュアルファッションの場合、かつては「前者は不向き、後者が中心」とされてきましたが、最近では前者のコートでもシャープなデザイン、凝った素材やディティールなどでカジュアルウェアとしても見直されています。 また、着丈が短いものほどカジュアル寄り、長いものほどドレスアップ、ビジネス向きの印象が強い為、カジュアルを意識して着る場合には、ミドル丈程度のものにしておくのがお勧めです。
(1)ドレスアップ系コート
ステンカラーコート(左) メンズコートの中でも最もシンプルなデザインでベーシックなコート。綿や化繊、ウールなど素材は様々。 オーセンティックなものは肩がラグランスリーブになっていたり、ゆったりしたものが多いが、こちらは主にビジネス用。カジュアル用を意識する場合には、左のようにシャープなシルエットを選ぶとビジネスとカジュアルのどちらでも活用できる。 デザインがシンプルなので、レザー素材などにも向いている。
トレンチコート(右)
元々第一次世界大戦時のイギリス軍で塹壕(トレンチ)で着たコートが起源。大きめの衿と凝ったディティールが特徴。生地やシルエットは①ステンカラーコートと似ている。ウエストベルトが付いているものが多く、ベルトで細身のシルエットを作る事もできる。
チェスターフィールドコート本来のチェスターフィールドコートは上衿にビロードが付いており、メンズコートでは最もフォーマルなものとされる。 しかしながら、元々シルエット、ディティールがテーラードジャケットに近いことから、最近ではシャープなシルエットを生かし、素材などでカジュアル向けとしたものも増えている。
(2)カジュアル系コート
Pコート(左) 海軍の軍服が起源のコート。 厚手のメルトンウール地が一般的。 コートと言え、実際にはジャケットより少々丈が長い程度。中にジャケットを着る場合には、Gジャンなどのような軽めのアイテムを持ってきたほうが良い。
ダッフルコート(右) こちらも起源は海軍のコートで、厚手のメルトンウールのものが多い。Pコートより着丈が長く防寒性は抜群に良い。 他のコートと比べシャープさは弱いものの、幅広いコーディネートに対応する定番品。
|