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カジュアルファッション用のベルトについて-2

3.ベルトの選び方など

ベルトは元々「パンツがずり落ちないように固定する」ものですが、今やファッションアクセサリーのひとつと思っても過言では無いでしょう。その為、他のアイテムとミスマッチを起こすと全体のバランスを崩してしまうし、うまく組み合わせると良いスパイスになります。 以下に私なりの「ベルトの使い方」を簡単に紹介します。

(1)ベルトの種類

ベルトは上記の通り、主に「革製品」なので、考え方は「靴」に似ています。
一般的には「身に着ける革製品は同系色、同テイスト」とするのがセオリー。
例えば「ワークブーツに細いドレッシーなベルト((6)のようなタイプ)は似合わないとか、黒いブーツに茶色のベルトは合わない等。本当に基本的なベルトのパターンを述べるとこのような4種類になります。

①黒のカジュアルなベルト
②黒のドレッシーなベルト
③茶色のカジュアルなベルト
④茶色のドレッシーなベルト

ここで選択のポイントは「カジュアル系かドレッシー系か」と「色」です。決め手は共に「自分の他のアイテムとの組み合わせ」になります。例えば「黒の革製品(靴など)と合わせる場合は①か②」、「ジーンズ中心のコーディネートなら①か③」と言った具合。
その上で「やや尖りめ」「やや大人しめ」などのテイストの好みでディティールを選ぶと良いと思います。

もし現在カジュアルシーン向きのベルトを1本も持っていないのであれば、とりあえず上の(1)のようなシンプルな太めのベルトを1本買いましょう。大人しすぎてつまらないですが、最も守備範囲が広いのも事実です。その上でもうちょっと「ヒネリ」のあるものを少しずつ加えてゆけば良いのです。

また、最近はローライズ・パンツが増えています。
股上が浅くなると、それだけベルトラインが長くなるので、「どんなパンツに合わせるか」を考えてサイズを選びましょう。できれば、合わせたいパンツを履いた状態で、ベルトも試着して決めたいものです。

(2)ベルトのサイズの選び方

ベルトのサイズの選び方は以下の手順で決まります。

  1. あわせるパンツを決める。
    ベルトを選ぶ際、最も重要なのは「あわせるパンツの股上」です。いつも同じくらいの股上のパンツを履いている場合はそれを基準にすれば良いのですが、股上が浅め、深めのものを交互に履く場合、同じベルトは使えないものと考えて下さい。股上が3~4cm違えば、ベルト穴1個分は平気でずれます。
  2. ベルト穴が端から3個目、4個目でちょうど良い長さのサイズを選ぶ。(下の写真参照)
    ベルト穴~バックルまでの位置が本来の「ベルトの長さ」です。基本は3個目なのですが、デザイン上ベルト穴より先端が長いまたは短い場合があるので、3個目か4個目かは好みで選ぶ。
    また、運動などをしていてウエストサイズの変動が多めの人もベルト穴4個目のものを選ぶと良いでしょう。
※股上が普通のジーンズとローライズジーンズで同じベルトを使うと、必ず固定するベルト穴の位置が変わる為に、バックルの跡が2箇所残ります。
数回なら分かりませんが、頻繁にこのような使い方をしていると「留めていない場所に跡が見える」状態となり、見栄えが悪くなってしまいます。基本的には同じベルトは同程度の股上のパンツに合わせるようにしましょう。

(3)どのくらい持てば良いのか?

また、ベルトは「消耗品である」という考えと「一生モノである」という考えの2つがあると思いますが、私の経験則では前者です。ウエスト部分は人間の体の中でも結構動きのある部位なので、ベルトにも相応の負担は掛かります。どんなに高価なベルトでも、装着していればベルト穴付近から痛みが出ます。
ここで紹介したベルトは、レプリカジーンズ系ショップにあるような数万円クラスのものはひとつもありませんし、上のものも多くがバーゲンで半額程度で買ったものです。皆数千円で手に入るものばかりです。

その代わり、同じベルトを2日続けて装着することはしません。
最低でも2~3本は所有し、それなりのデザインのものを週2回以下で使えば結構長持ちするものです。

(4)その他

最後に、下の2つのベルトはどちらが高価なものでしょうか?

答えは「上」です。

下は「自分で長さを調整できるタイプ」、上はできないタイプで、調整ができないタイプの方が「高級なもの」となります。

汎用タイプはコストを抑える為にサイズ展開ができないことから、アジャスタブルになります。
専用のものは作りこみの手間や、サイズ展開を豊富にする為の在庫リスクを負うことになる分、高価になります。その分作りはしっかりしているものが多い。

尚、下の汎用タイプは購入時にサイズを気にしなくて良いというメリットがありますが、購入後に調節する際には、「(2)b.」に記載したようにベルト穴が端から3個目、4個目でちょうど良い長さになるようにしましょう。