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体格の差をリカバーする着こなしについて-1

1.はじめに

こちらのページで標準体型や一般的洋服のサイズについて述べていますが、実際にはほとんどの人が大なり小なり「標準(あるいは平均的な)体型とは異なる」部分があるものです。ここでは、その中でも代表的な「体格の差」について書きたいと思います。
 
身長等の体格の差は、実生活にはそれほど大きな影響はありません。しかしながら、気になる人にとっては「気になる」のが体格の差です。特に「見た目」のひとつであるファッションと体格は密接に関係しているので、ファッションに気を遣う人にとっては尚更です。そこで、ここでは体格の違いをリカバーする着こなしについていくつか述べていきます。
 
 
 
※前提として、このページでは体型は「おおむね標準的な体型」である事を前提に話を進めますのでご留意下さい。「太め、細め」といった体型の差については「体型をリカバーする着こなし」で触れています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2.背が低い、小柄な人の場合

まずは小柄な人です。
こういった人にとっては「小さい事」がコンプレックスですので、できるだけ「小ささを感じさせない事」が着こなしのポイントとなります。
 

(1)目立つポイントの置き方

 
色、柄、ディティールなど「目立つアイテム」の配置の仕方です。
 
左はパンツ側にポイントを置き、上半身はあっさりした服を着ています。
右は上半身にポイントを置き、下半身にあっさりした服を着ています。

この2つで「小ささを感じさせない」着方は右のほうです。
人の視線はまず目立つ所に行きますので、人の目につきやすいものを上側に持ってくる事で、視線が上に集まります。
 
左図では「赤い色」がそれに相当しますが、色だけでなく、目立つ柄や凝ったディティールが多い洋服などもこれに該当します。
 
もしどうしても「シンプルなトップス+目立つパンツ」の組合せをしたい場合には、首周りにアクセサリーやストールを付けたり、帽子をかぶるなどして上側にもアクセントをつけるとよいでしょう。
 

(2)トップスとパンツのサイズについて

小柄な人に意外と多いのが、「小柄な体格を隠す、補完する為にやや大きめなトップスを着る」というものです。(左側)
しかしながら、実はこの着方は良くありません。
トップスだけを大きめにした場合、

・上半身=ボリュームあり
・下半身=小柄

となり、下半身の小ささがかえって強調されてしまいます。
それよりも、右側のように「ジャストサイズで普通に着る」ほうが小柄では合ってもスタイリッシュに見えますので、結果着こなしとしては優位になります。
 
 
 
 
 


(3)シルエット

(1)で「目立つポイントに視線が集まる」と書きましたが、ここはその応用です。
左の模式図は2つの同じ形の三角形の組合せですが、どちらがたてに長く見えますか?
お分かりの通り、左側ですね。

ボリュームのある場所を上下の端に配置し、中心部をスリムにする事で、目立つポイントに距離が生まれ、背が高く見えます。反対に、中心部にボリュームを持たせ、上下の両端をあっさりさせると、小柄な印象となります。
 
 
 
写真では左が
  • 肩幅があり、ウエストがシェイプされたジャケットで逆三角形の上半身
  • ブーツカットのパンツ+ロングノーズのレザーシューズで足先側にボリュームを持たせる
といった組合せで小柄に見えにくいシルエットを構築しています。反対に、右では
  • やや落ちた肩幅
  • 腰~太ももにボリュームのあるパンツ
  • コンパクトなスニーカー
により、中心部にボリュームが集まっています。こういった着こなしは小柄な人には不向きです。