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体型(筋肉質、太め、痩せ型)をリカバーする着こなし-2

4.太めな体型の人

「メリハリのある体型」を意識する際、最も悩む人が多いのが「太め」「痩せ型」のタイプです。
理由は、どちらの体型もメリハリを出しにくい為ですが、どのようにして出していくかを考えていきます。

太めな人の場合、メリハリが出にくい原因は「ウエスト」にあります。(赤い点線部分)
よって、この部分をどう見せるかが最大のポイントとなります。
 
 
 
 
 
 
 
 
太め体型の人にありがちなのが、「股上の深いパンツにインナーをタックインして着る」ケースです。(左図)
この場合、あまり強調したくないウエスト部のみならず、背後から見た場合、ヒップ周りも大きくみえてしまいます。
そこで、できるだけウエスト部分を目立たせない着方が必要となります。手法としては
  • 外出しに適した着丈のシャツを「外に出して」着る
  • 股上が浅めのパンツを履く
などがあります。
この場合、着丈の長さが長すぎるとかえってだらしなく見えてしまいますので、長さのバランスには細心の注意が必要です。
 
ウエストを見せないようにしたいが為に、ヒップが隠れるぐらい着丈が長いTシャツを着る方も見られますが、これは上記のように「だらしなく見える」だけでなく、上半身の大きさを強調してしまうので、やはり「適度な着丈」の選択が重要となります。
 
最後に「メリハリのあるシルエットの構築」について書きます。
太め体型の人は(A)のようなシルエットになりやすい為、まずはウエストラインが目立たない(B)のようなBOXシルエットを目指します。

ワークウェアを起源とするアメカジ系の服なら、このようなシルエットが作りやすいはずです。
そして次に(B)→(C)のように進みます。

これはBOXシルエットである(B)に対して、テーラードジャケットのような肩幅の広いアウターを持ってくる手法です。
恰幅の良い人でもスーツが映えるように、肩周りをシャープにする事で、ラインにメリハリが生まれるようになります。
こういうシルエットの時には、靴もボリュームのあるものを選ぶと、さらに効果が増します。(小柄な人のバランス取りと同じ理屈です。)


5.細め、痩せ型体型の人

続いて細めな人、痩せ型体型の人です。
ファッションの世界では痩せている人はどちらかと言うと優位なほうにありますが、それでも「自分は痩せすぎている」と悩んでいる人も少なくありません。
 
そこで、「痩せている事」をリカバーする着こなしについて考えてみます。
 
 
 
 
 
 
 
 
痩せ型の人には、細みな体型を隠そうと、ゆったりした服を着る傾向があります。
これはこれで悪い事では無いのですが、よく見られるのが「上半身又は下半身はゆったりめ、反対側は細身のまま」というものです。

これでは、上半身がゆったりの場合は下半身がより貧弱に、下半身のみボリュームがある場合は上半身が貧弱に見えてしまいます。
むしろ、着こなしにおいては
  • 細身の服を着るときには全体的に細いものを合わせる
  • ゆったりした服を着たいときには上下ともある程度ボリュームのある服を着る
といった形で上下を合わせる方が自然に見えます。「細さを隠す」目的としては後者のほうが効果がありますので、以下により詳しく書きます。
 
まず、ジャストサイズで着たシルエットを(A)とします。ここからゆったりしたサイズの服を着る方法として、以下の2つの方法があります。
  • (B)BOXシルエットの服を着て、ライン全体を太くする方法
    服:ストレートジーンズ、ワークウェア等
  • (C)ウエストを起点に、上下の端側にボリュームを持たせる方法
    服:テーラードジャケット、ブーツカットパンツ等
メリハリの付き方は(C)の方が出ますが、元々細身な体型ですので、全体にボリュームを出せばウエストを締めて強調させるのは簡単です。
むしろ自分の好みで選べば良いでしょう。
 
また、細身の人の場合、伸縮性の高い生地やシルクなどのドレープする生地よりも、デニム、ツイルなどコシのある厚手の生地のほうがシルエットが維持しやすい為、適しています。

ちなみに、細みなシルエットを生かしたファッションには、モッズやパンクロックファッションなど、UKストリートに良く見られます。