1.ボタンの種類
ひとえにボタンと言っても、その種類は多岐に渡ります。ここでは主なものを紹介致します。
(1)シャツ用ボタン
上の写真はシャツによく使われるシンプルな白いボタン達です。左から①~④となります。
①:もっともよく使われる廉価でオーソドックスなタイプ。
②:厚みが無くシャープなデザイン。穴の周辺が幅広い。①に比べやや高価なシャツによく使われている。
③:直径が小さめで厚みと淵の角に丸みのあるタイプ。
イタリアンデザインのものによく使われるが、最近はドレスシャツではかなり幅広く使われる。
④:②と③の中間。③程厚みは無いが、それなりに厚みがあり、淵の角が丸い。ワークウェア系などのカジュアルなシャツに使われる事が多い。
上の①~④は樹脂製ですが、この2つは貝を削って作られたもので、シャツ用ボタンとしては高級なものとされる。
実際、上のものと比べて光沢、色合いなどの質感が明らかに違う。
ただし天然素材だけに耐久性が弱く、圧力等で割れたりしやすい。
ブルックスBros.も昔は貝ボタンだったが、洗濯機の普及でボタンが割れやすくなった為、現在の樹脂製に変えたと言われている。
ワークシャツに使われるボタン。
左2つは樹脂製、右は天然の木製素材。
真ん中は穴が2つの「一棒穴」と呼ばれるもの。同デザインの黒はLeeライダースJKのウエストアジャスターにも使われている。
裏穴型の装飾ボタン。
女性のブラウス等によく使われるタイプ。
表から縫い糸が見えず、飾りとしての要素が大きい。
右のような金属のボタンは一見スナップボタン風のめずらしいもの。
スナップボタン。
子供服やウェスタンシャツなどに使われる。
左が表面に出るもの+凸型。右は凹型。
(2)アウター用ボタン
これはスーツやジャケットに最もよく使われるタイプのもの。
両方とも樹脂製ですが、上は色の違う樹脂を練りこんでその模様を活かした「練りボタン」と呼ばれるものです。
下は単色の素材を型に入れて作ったオーソドックスなもの。
穴周りが余分に凹んでいる。
これはどちらもフランス製のコートについていたもの。
これらは上の単色樹脂製と作りは同じですが、表面に塗装をして艶を出しています。欧州のブランドのカジュアルアウターでよく使われるタイプ。
また、デザイン的にも淵のリブが細く、全体的にのっぺりした独特のデザインをしている。
その他の特殊ボタンなど
まずは裏穴型ボタン。
上はくるみボタンで、レザーモノなどカジュア色のつよいアウターや女性用の服よくに使われる。
下はブレザー等によく使われるメタルボタン。
上のボタンは木を削ったボタン。
自然の風合いを活かす為にあえて真円としていない。
下はPコートで有名なマリンのボタン。
上は金属のボタン。Pコートについていたもの。
下は貝を削ったボタン。
夏用のシャツジャケットやレディースでよく使われる2つ穴。
これはすべてチノパンについていたもの。
左からフランス製、アメリカ製、Levi's Japanのもの。
左は上のコートと似たようなデザイン。真ん中が最もオーソドックスなパンツ用ボタンで4つのボタン穴のうち2つずつに糸通し用の凹みがある。また、最近では右のもののような練りボタンも多い。
ここまで紹介しただけでもかなりの種類のボタンがありました。他にもダッフルコートに使われる「トグル」もボタンの一種です。ボタンには様々な種類、いろんな表情があります。