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季節によるカラーの傾向 春夏編

1.はじめに

ここでは、実際のメンズファッションにおけるカラーのトレンドについて触れてみたいと思います。

ただし、ファッション業界における「トレンドカラー」というのは日本ファッション協会(JAFCA)が1.5~1年前に業界に発信しする「流行させる色」のことなので、ここではあくまで消費者目線での傾向=トレンドとして述べていきます。

今回は、春~夏シーズンにおけるメンズファッションカラーの傾向です。

2.春夏のメンズファッションカラー傾向の変化

下に、2000年~2005年までの6年間のメンズファッションの人気色傾向TOP10を示します。
※JACFA発行の「流行色」誌 大都市百貨店での人気傾向情報より抜粋。

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
2000年 ブラック ライト
グレー
ダーク
グレー
ホワイト ネイビー オフ
ホワイト
ベージュ オレンジ サンド
ベージュ
ライト
ブルー
2001年 ブラック ダーク
グレー
ライト
グレー
ネイビー ベージュ ホワイト ライト
ブルー
サンド
ベージュ
クリーム
イエロー
カーキ
2002年 ブラック ネイビー ベージュ ホワイト ダーク
グレー
ライト
グレー
オフ
ホワイト
クリーム
イエロー
ブルー ダル
ブルー
2003年 ベージュ ブラック ダーク
グレー
オフ
ホワイト
ホワイト ネイビー ライト
ブルー
ライト
グレー
クリーム
イエロー
サンド
ベージュ
2004年 ブラック ホワイト ダーク
グレー
ネイビー サンド
ベージュ
ベージュ オフ
ホワイト
ライト
グレー
ブラウン ライト
ブルー
2005年 ブラック ホワイト ネイビー ダーク
グレー
サンド
ベージュ
ベージュ オフ
ホワイト
ピンク ライト
グリーン
ライト
ブルー

ぱっと見てお分かりかと思いますが、上位1~6位ぐらいまでは、こちらでも触れている「ベーシックカラー」がほとんどを占めています。つまり、上位5,6色までは流行に左右されない定番色が占める為、その年の傾向はあまり掴めないと言えます。

あえて触れると、春夏シーズンの場合、秋冬に比べ「ホワイト」の上位に占める割合が非常に多いのが傾向で、特に2004年以降はブラックに次ぐ人気色として定着しているようです。※秋冬の傾向は後日改めて掲載します。

反対に、7位以降はその年によって若干傾向が異なります。
いわゆる「その年に人気のあった特徴的な色」がここに出てくるのです。見方としては以下のようになります。
尚、2002年のブルー人気はワールドカップ開催によるものと思われます。

  • 2000年:やや暖色系が強い。オレンジが流行色となる。
  • 2001年:全体的に落ち着いた色が人気。目立つのはライトブルーとカーキ。
  • 2002年:寒色系が人気。ブルー系が流行色。(ダルブルー:ややくすんだブルーのこと)
  • 2003年:ベージュが一番の人気。全般的に淡い色が人気となる。
  • 2004年:白の人気がUP。全体としてはベージュ~茶系が人気。
  • 2005年:2004年と近い傾向。ピンクが男性でも人気となっている。

また、上位、下位の色をそれぞれ纏めるとこうなります。

  1. 上位色=ベーシックカラー
     ブラック、ホワイト、ネイビー、ダークグレー、ベージュ
  2. 下位色①=淡い色~春夏の定番色
     オフホワイト、ライトブルー、クリームイエロー、ピンク
  3. 下位色②=本当のトレンドカラー
     オレンジ、カーキ、ブラウンなど

ここから、春夏のカラーコーディネートは

「ベーシックカラーを基調として、淡色(オフホワイト、ライトブルー、クリームイエロー、ピンク)を加えるのが基本構成」

という傾向が読み取れると思います。(黒や紺のジャケットのインナーに淡い色のシャツを合わせるなど。)
ここに、個性として「濃色、ヴィヴィットな色」を必要に応じて加えてゆく事になります。