3.黒いシャツのコーディネート
次に白の対極、黒いシャツのコーディネートです。
黒いシャツ、けっこう万能なのですがこちらも白同様あまり着ている人を見かけません。最近あまり聞かれなくなりましたが、ファッションにおいては「困った時は黒を着ていれば何とかなる」というのは有名な話で、かなり守備範囲の広い色です。
DCブランド世代の方は、黒と言えば「COMMEdesGARCONS」や「YOHJIYAMAMOTO~Y's」を思い出すと思いますが、「買わなくても見ればシンプルコーディネートの役には立つ」と言われる「agnisb.」や「A.P.C.」などのフレンチカジュアルブランドでも黒は多用されています。
清潔感の「白」に対して「クールさ、シャープさ」の演出では「黒」の方が上です。 そのあたりを念頭に紹介をしていきましょう。
(1)モノトーン同士
⑥  ⑦
⑥ホワイトパンツ 上の③の逆パターンです。この着方はやや「シャツをジャケットっぽく着る」着方が合います。 下のパンツが膨張色で、下半身が強調されやすいので着丈に気をつければやや大きめサイズをラフに着てもいけるかと思います。 パンツは細めのものやブーツカットを選びましょう。
⑦ブラックパンツ 上下共濃い黒の着こなし。 上下白と違ってこれは「アリ」な着方です。ただ他の着方に比べ難易度が高めなのは同様で、①の着こなしのような工夫が必要かと思います。 ここでは服が黒なので革モノを茶色にしてアクセントをつけてみました。
(2)中間色の場合
上の⑥⑦がモノトーンではっきりとしたものであるのに対してやや柔らかめな印象になるのがこちらの中間色です。
⑧  ⑨
⑧グレーパンツ イラストはウォッシュ加工したブラックジーンズを合わせています。この着方は「黒系でまとめたいが上下黒というのもしつこいな~」という場合に最も有効な組み合わせです。 ④の時と同様の効果ですね。
⑨ブルージーンズ ブルージーンズで最も黒いシャツに合わせ易いのはこういった「ハードウォッシュの掛かった明るいブルー」では無いでしょうか?上半身のシャープさと下半身のワイルドさのバランスが取れればかなりCOOLな着こなしができます。
この章の始めに「困った時は黒を着ていれば何とかなる」と書きましたがその理由は
①黒い服は素材感が見えにくいので(革は別として)安価なものでもそれなりに見える。
②黒は収縮色なので全体のラインを誤魔化し易い。また他の色とケンカしにくい。
などがあると思います。
ただしその分「暗くなりやすい」という大きなデメリットもあります。そこで、(特に⑦のような場合)アクセサリーや靴、カバンなどの周辺グッズを工夫して(シルバーリング、ベージュのポーチ等)どこかにポイントを置き「黒の重さを分散させる」などするとより洗練度が増すのでは無いかと思います。また、こちらでも紹介している通り、同じ黒でも素材や色で表情を変えることもできます。いろいろ工夫してみて下さい。
4.さいごに
最後にシャツの選び方ですが、どちらにも共通して言えるのは「サイズ、フィット、着丈に注意する」事です。
シャツを主役で着こなす場合、そのサイズ選定、フィットの度合いが着ている人の洗練度にそのまま繋がりますのでその点にご注意下さい。(ある意味、その人の腕の見せ所でもあります。)
また、黒に比べ白は素材感の良し悪しもかなり目立ちます。「カジュアルウェアとして着る白いシャツ」に関してはある程度の素材感にもこだわって(といっても綿100%のオックスフォード等で十分です。)選ぶようにしましょう。
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