1.カジュアルって何だろう?
よく、カジュアル、カジュアルと言いますが、どういう意味かご存知ですか?辞書で調べてみるとこのように書かれています。
[casual]
堅苦しくないさま。くつろいでいるさま。多く複合語として用いる。「―なスタイル」「―-コート」
直訳すると、「偶然の」「何気ない」「臨時の」「うわべだけの」「のんきな」「略式の」
casuallaborer:臨時雇い、casualwear:普段着
ここで言う「カジュアル」は「カジュアルウェア=普段着」ですね。つまり、「くつろいでいる」「何気ない」「のんきな」服なんでしょう。
さて、世の中いろんな国がありますが、今の日本のカジュアルウェアは明らかに欧米の影響を受けた(あるいはそのまま)服だと言えます。しかし、アメリカとヨーロッパでは事情が違いますし、もっと言うとヨーロッパでも国によって違いがあります。
実際のファッションでは各国の事情以外にもブランド、メーカーのポリシーによる違いの影響が大きいので、大雑把、且つベーシックな視点から、アメリカンカジュアルとヨーロピアンカジュアルの違いを考えてみます。
2.メンズウェアの4分割
メンズに限った事ではありませんが、洋服はいくつかの理由や目的で作られているものです。
ここでは、日本を含めた先進国での洋服について、2つの軸を元に分類してみました。(図1)
縦軸に「用途」、横軸に「作り、構造」をおきました。これでおおまかに4つのエリアに洋服を分類をします。
- ワークウェア
- オフィスウェア
- スポーツウェア
- フォーマルウェア
右が「Sensitive=繊細、敏感」なもの、
左が「Active=活動的」なものです。
それぞれの特徴は左の通りです。(図2)
おもしろい事に、左の「繊細な」服の方が実は歴史があります。洋服は中世ヨーロッパで発達したもので、当然、貴族などのお金持ちから文化が発信されてきたものです。(つまり洋服に凝るって事自体がそもそも道楽なのでしょう。)
こちらは歴史を背景としたものでは無く、現代の使用シーンを元に分類しています。
上が「Business=主に仕事用」、
下が「Private=主に私生活用」です。
これは分かりやすいと思います。
実際の所、仕事で着れば、ある意味何でも「ワークウェア」になりますが、ここでは仕事上において「制服」「専用服」「着用を奨励あるいは義務付けている服」といったニュアンスで捉えています。
そういう意味で、「ビジネススーツ及びその周辺」は立場上こちらになります。
3.各アイテムとスタイルについて
前述した4つのエリアはこういったアイテムから構成されます。(図4)
このアイテムは、戦後~現在をイメージしたもので、且つ、特定のブランドに寄らない事を前提としています
※現在の主なブランドは左記の中の多くのアイテムを網羅している為、ブランドありきで進めると各アイテムの位置関係が分かりにくくなります。
その為、ブランドの話題を後回しにしています。
- ワークウェア
主に「作業、肉体労働」を中心に、「専用の服」であるもの、あるいはそういった成り立ちだったもの。 ジーンズも元々は「ウエストオーバーオール(腰丈のオーバーオール)」ですので、ここに入ります。 また、チノパンやMA1などのサープライスもの(軍の払い下げ品が発祥)も立派なワークウェアです。
- オフィスウェア
ここでのオフィスウェアとはぶっちゃけて言うと「ネクタイするのに合わせる類の服」です。もちろんメインは「ビジネススーツ」です。 ビジネススーツはフォーマルなスーツやスポーティなスーツが機能的にブラッシュアップされたものですが、一定のルールや素材などで、気品を保っているものです。また、最近は日本でもやっと「仕事用では無いスーツ」も出回ってきました。
- スポーツウェア
「スポーツウェア」というと、アディダスとか、ゴルフウェアを思い出す方も多いと思いますが、欧米でカジュアルウェアと言えば「スポーツウェア」という言い方が一般的です。ネクタイ着用を前提としないシャツやブルゾン、パンツなどです。 ここでは、そういったものや、本当のスポーツの為のウェア、アウトドアやバイク用など趣向の為の服をまとめています。
- フォーマルウェア
ここは言うまでもありませんね。いわゆる「社交の場」向けの服です。欧米では映画、演劇の鑑賞やパーティではこういった服装をして外出する(まさにドレスアップ)人が多いですが、日本ではフォーマルウェアで参加するイベントは「冠婚葬祭」の用途がほとんどでしょう。
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