ヨーロピアン・カジュアルとはそのまんま「ヨーロッパのカジュアルスタイル」でして、「ヨーロッパの人達の普段着」のようなものです。
かの「ファショコン通信」殿では、ヨーロピアン・カジュアルについて以下のように書かれています。
ヨーロピアン・カジュアル(和製英語)
ヨーロッパ風のカジュアル・ルックの総称。略称"EC"。70年代に"アメリカン・カジュアル(AC)"と共に用いられはじめる。フランスのシックな感覚のカジュアルという意味合い。"イタリアン・カジュアル"の台頭と共に、"フレンチ・カジュアル"と二分され、EC自体は用途が減った。 ヨーロピアン・カジュアルは主に「フレンチ・カジュアル」「イタリアン・カジュアル」の2つに分かれますが、ここでは、ヨーロピアン・カジュアルの基本とも言える「フレンチ・カジュアル」を紹介します。ヨーロピアン・カジュアル着こなしの実践編とも言えるでしょう。
もちろん、ヨーロッパにはそれ以外の国のデザイナー、ブランド、メーカーもいっぱいありますが、このコーナーではブランドやデザイナーについてできるだけ触れずに書いています。
1.フレンチ・カジュアルとは?「フレンチ・カジュアル」って一体何でしょう?
よく巷で「フレンチ・カジュアル」という言葉を使ってますし、多くのメーカー、ブランド、ショップが「フレンチ・カジュアルの○○」と言ってますが、どこも「「フレンチ・カジュアルとは○○です」と定義している所はありません。
もっとひどい場合には「Made in Franceだから」とか「フランス人のデザイナーだから」と、かなりいい加減な理由で使っている例もあるようです。 実際、GoogleなどNetで検索しても、ちゃんとした定義を書いているサイトはほとんどありません。そこで、あくまで私の独断でフレンチ・カジュアルについて考えてみたいと思います。
実のところ、フレンチカジュアルには大して象徴的なアイテムがある訳ではありません。
むしろごくありきたりの服ばかりで構成されています。一般にフレンチ・カジュアルと呼ばれる手合いのアイテムは何の事は無い、ごくごく定番のアイテムからピックアップできるものばかりです。 こちらでも紹介している「チープ・シック」という本にこんな事が書かれています。
「たとえば、ブルックス・ブラザーズのものにジーンズを合わせてドレス・ダウンすることはできますけれど、ブルックス・ブラザーズのスラックスに、ぴかぴか光るまっ赤なモーターサイクル・ジャケットを合わせるとアイビーにこりかたまった人たちはびっくり仰天します。でも、そんなふうに着たければ、そうやってしまえばいいのです。~その次にクラシックなもの『アイビー・リーグ』より」
そしてその前後にいくつかの着こなし例やパリのアイビーリーガーと題したコートを羽織った女性の写真が載っています。ここにフレンチ・カジュアルのヒントがあるように思います。
一体何が「フレンチ・カジュアル」なのかというと、それは「何でもない服の組み合わせ、着こなしの独特のセンス」だと思っています。それを象徴する言葉が上に書いている「ドレスダウン」です。
(dressdown=略装にすること。約束事にこだわらない服装をすること。) 今では、ボタンダウンシャツやステンカラーコートをジーンズに合わせるのは当たり前の着こなしですが、昔はこれも「ドレスダウン」だったのです。つまり、フレンチ・カジュアルは「アイテム」では無く「着こなし」の方法論で、
「品良くシックにドレスダウンして着こなす」
という事だと考えます。(シック:Chic=洗練)
2.フレンチ・カジュアルのアイテムかなり強引かつ大雑把に定義付けをした所で、実際のアイテム例を挙げてみます。
フレンチ・カジュアルは「ドレスダウン」が基本ですから、「ドレッシー」なアイテムが入らないとフレンチにはなりません。
とは言っても、現在のベーシックに、かつてドレッシーなアイテムと言われたモノ達は既にいっぱいあります。例えば、テーラードタイプのジャケット、Yシャツ、コートなどです。
おそらく皆さんも既に持っているものも多いと思いますので、あまり気にせず書きましょう。 フレンチに限らず、洋服を着る際にはトップス、ミドル、ボトムスの3つに大きく分かれます。以下にフレンチ・カジュアルで良く見られそうなアイテムを置いて見ます。(青文字のアイテムは比較的「ドレスダウン」なものを差しています。)
(1)トップス左から以下の通りです。
(2)ミドル左から以下の通りです
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