styling report‎ > ‎

重ね着~レイヤード(Layered)について-3

 
「重ね着をする上でのポイント おまけ」インナーの例

インナーは重ね着の際には表にシルエットがでる事はありませんが、いくらアウターに気を使ってもインナーにやたらとボリュームがあるものを合わせるとコントロールがしにくくなります。
 
左はオーソドックスなタイプ、右はカット&ソーに近いタイプです。ポイントは「全体のシルエット」「袖と裾の処理」です。

オーソドックスなタイプは体型を意識しない、ゆったりめのシルエットを元に袖や裾を絞り込む事で防寒が必要な部分のフィット感を高めていますが、右は全体を細めにする事で、シルエット全体でフィット感を出しています。

温かさという点ではやや前者の方があるかもしれませんが、シャープさの点では後者の方が上です。というのも、細めでシャープな分だけ、インナーとして着る際、「余分な生地がアウターを圧迫しないから」です。
この考え方は、セーター等のほかのニットやスェットやカット&ソー、シャツにも当てはめることができます。

(3)色について

色が着こなしに与える影響についてはこちらでも触れましたが、ここでは「アウターとインナーの組み合わせ」と「暖色、寒色」「無地、柄」の観点からおさらいの意味も含め2点程触れておきます。

「同系統の色の組み合わせの場合」

A:暖色同士の組み合わせ
暖色同士の場合、全体的に膨張色なので、右のようにアウターに柄を持ってくるとシルエットコントロールが難しくなる。左のようにアウターをすっきりさせ、インナーで遊ぶ方がコーディネートがしやすい。
 
B:寒色同士の組み合わせ
寒色は全体が収縮色なので、暖色に比べるとアウターでも柄物を合わせ易い。ただしあまりクドイと難しくなる恐れがあるので、せいぜいストライプやチェック等の渋めの柄にしておいた方が合わせ易い。
 
 
「系統の異なる組み合わせの場合」
 
C:無地同士の組み合わせ
どちらも比較的定番の組み合わせ。ただしインナーとアウターのコントラストがはっきりしている場合、明るい色の側に眼が行き易いので、インナーの場合はそのディティール、アウターの場合はシルエットに気を使う必要がある。
 
D:無地と柄物の組み合わせ
インナーに柄物をワンポイントで入れる左のパターンは重ね着の常套手段。反対の場合(右)は面積が大きい部分が賑やかなので、はっきりした色の場合、ややコドモっぽい印象を与える。渋めにしたい場合には柄物でも落ち着いた色を選ぶと良い。
 

4.さいごに

上に書かなかった事の中で重要な点が1つあります。それは「サイズ」です。
 
重ね着をすると「幅が広がる」と書きました。つまり自分の体の大きさが一回り大きくなるワケです。
よって、その上に重ねて着る服を買う際には、「その状態を再現できるボリュームの服」を着て試着をしないと、望んだシルエットやフィット感が分かりません。
 
特に最近は「細め、着丈長め」の服が増えているので、重ね着を前提とする場合には注意が必要です。(ちなみに自分も通常は「S」サイズの服ばかり買いますが、冬用のコート等は時々「M」サイズのものを買う場合があります。)
 
ただでさえ、秋冬のアウターは春夏向けに比べ高価なものが多いので、着る期間も長くなります。
故に買い物に失敗をすると金銭的にもダメージが大きいものです。
買い物をする際には、事前のリサーチはもちろんの事、買いに行く際の服にも気を使い、できるだけ試着をしましょう。