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なぜお洒落をするのか?

「何故お洒落をしようとするのか?」という事は、ファッションに関心を持つ多くの人が一度は考えるであろう命題だと思います。
ちょっと「余計なお世話」な話かもしれませんが、以前読んだ本に「心理学から見た洋服」の事が書いてあったので、それを元に、自分なりの考察をここに書いてみたいと思います。
 

1.ファッションとは?

そもそも「ファッション」とは何でしょうか?
ファッション(fashion)を辞書で検索すると以下のように書かれています。

~流行。はやり。特に、流行に即した服装・髪型など。また、単に服装の意にも用いられる。~

厳密には、モノの名前としての「衣服」「服装」を英語では「clothes」と言い、ファッション(fashion)とは異なるものですが、一般的にはファッション=服装という扱いも許容されています。
ちなみに当サイトで扱う「服」「ファッション」は、以下のように考えて扱っています。

「自分が着たいと能動的に考えて着ている服、および服飾小物とその着こなし」
 
流行、および「流行服」に限定はしませんが、職場や学校等の規則で着ている制服などは対象になりません。繰り返しになりますが、あくまで「自分が能動的に、主体的に着たい、お洒落をする」事が大前提です。
 

2.お洒落をする理由は?

  • 裸で外に出歩くワケには行かないから。
  • 風邪をひきたくないから。
  • 異性に好印象を与えたいから。
  • 異性、同性問わず自己アピールをしたいから。
  • 気に入った服装をする事で、自分が高まっているように感じるから。

    などなど…。
もちろんすべて正解ですが、その根源には「不安である」「自信が無い」事が根底にあるというのが心理学での考え方だそうです。つまり、心理面での様々な不安を物理的に解消する為に洋服を着るのです。
 
自分の身体について感じている、思っているイメージを心理学では「身体像」といい、その自分に対する自分のイメージと外界(世間)との境目を「身体像境界」と言います。すなわち「身体像境界」とは「その人が身に着けるヨロイ」だそうです。
 
この、「身体像境界」が大きくて、はっきりしている人は自分に自信を持ち、周囲の人と余裕を持って接することができますが、身体像境界が狭く、不明瞭な人は自分に対して不安があり、消極的な人となるのです。
 
この「身体像境界」に大きく影響を及ぼすのが「衣服」なのだそうで、人が人前で裸になると不安になる大きな理由は、この「身体像境界」が無い為だそうです。もっとも、この「身体像境界」というのはその人の心の持ち方、経験でかなり変わるので、見かけ以外に社会的地位の高い人なども、結果的に「身体像境界」は大きくなるわけです。
※ここでは、そういった社会的地位が非常に高く、存在感のある人は除き、一般人の感覚として書いていきましょう。
 
こう書くと、お洒落をするのが非常に後ろ向きにも思えますが、見方を変えれば「お洒落をする事で、自分に自信を持ち、積極的に活動ができる」という事になります。
物事は常に表と裏があるものですが、どうせ着るなら自分の毎日に好影響を与えるものとして洋服は着たいものです。そういう前向きな姿勢が「楽しみ」に繋がるのではないかと思います。
 

3.まとめ 

 
上記をもとに再度「ファッションとは何か」をまとめると以下のようになります。

「自分に自信を持ち積極的になる為に、自分の身なり、服装をクリエイトする行為」

時には「ファッションに気を使う男は軟弱だ」とか「見た目だけ気にして、中身の無い男だ」と言われるケースもあります。実際自分も「そうなのだろうか?」と思った事もありました。
 
しかし、実際社会に出て色々な経験をし、様々な人に出会うと、「人生を楽しんで生きている人の多くは、身なりも楽しんでいる」人が多いものです。別に流行りを追っているワケではないけれど、自分の身に付けているものにポリシーを持っています。それは、「着る」という事が「生きる」事に直結しているからでは無いかと考えています。
 
とかくファッションは「お金」や「地位」「異性」といった欲深い面とも関連するので、自分自身のコントロールが難しい分野だと思います。しかし、うまく付き合えば自分の日々をちょっとづつでも豊かにしてくれるものになります。
だからこそ、短絡的に「お金」や「目先の情報」に流されることなく、自分自身で身をもって体験し、センスを見につける事で、ファッションを「人生のツール」としてうまく使いこなして欲しいものです。