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靴の種類について-1

1.はじめに

靴は「足を守る」「快適な歩行を助ける」役割を担っていますが、ファッションとしてのコーディネートの観点からも非常に重要なアイテムである事は皆さんもご存知かと思います。
男性のファッションセンスは「その人が履いている靴を見れば分かる」と言われるものです。それは洋服のコーディネートとの相性だけでなく、単体としての靴のセレクトや、手入れの状態等「靴」だけでその人の身に付けるものに対する価値観を幅広い視点で垣間見ることができるからです。(もちろんそれだけで全てが分かるものではありませんが。)
 
靴は洋服同様「身に付ける」モノですが、「靴」としての独自の世界、価値観があります。それは例えるとジーンズに匹敵するような深さと言えます。
当サイトはカジュアルファッションを広く扱うサイトなので、そういった点にはあまり触れず(そういった情報はインターネットで容易に入手可能です。)ベーシックな着こなしに関わるアイテムとしての情報を取り上げようと思います。
まずはおおまかに「メンズファッションに関係する、よく知られている靴」について紹介していきます。
 
※ひとえに「靴」と言っても様々な種類の靴があります。また、見方によって様々な選別の方法があったり、呼び方、定義付けも色々あります(同じ仕様のものでも国によって違う場合もある)。そこで、ここで紹介する内容はできる限り一般的な分かり易い視点で書いていますが、内容が必ずしも正確なものでない場合もありますので、予めご了承下さい。
 

2.靴の種類 概要

靴にはおおまかに「形状による分類」「用途による分類」「構造による分類」等があります。これらを簡単に説明すると以下のようになります。
 
(1)形状による分類例
  シューズ(短靴)←→ブーツ(長靴)、ローカット←→ハイカット等
(2)用途による分類
  ドレスシューズ、ワークブーツ、スポーツシューズ等
(3)構造による分類
  チロリアン、スリッポン、スニーカー等
 
しかしながら、これらをすべて複合して分類しても実際のファッションとは乖離する場合もある為、ここでは良く知られるカテゴリー分けとして以下のように分類して紹介していきます。
  • ドレスシューズ
  • スリッポン
  • ブーツ関連
  • スニーカー関連
  • その他

3.ドレスシューズ

スーツ着用時等、主にドレスアップしている際に履く為の靴。日本では「スーツに合わせる為だけの靴」という印象が強いが、本来はメンズシューズの中で最も基本的な靴です。
尚、個々に示した(A-1)~(A-4)と次章の(B-2)コインローファー、(C-1)モンクストラップあたりがビジネスシーンでスーツに合わせる靴としてメジャーなタイプと言われる。

(A-1)プレーン、トゥ
靴の甲に何の飾りやディティールが無い、最もすっきりしたディティールの靴。最もベーシックなドレスシューズ。
(A-2)ストレートチップ
甲部分に横一文字の飾りラインがあるもの。
(A-3)ウイングチップ
甲に翼を模した「W」型の飾りがあるもの。メダリオン(穴飾り)やピンキング(ギザギザ飾り)等凝ったディティールが多い。
(A-4)U・チップ
甲の部分に「U」型の飾りや切り替えしがあるもの。
 
 
 

ここでは上の靴に共通するディティール関連について触れておきます。
尚、ここに書かれている内容は「5.ブーツ」のドレッシーなタイプでも同様に使われます。
 
 
(1)トゥの形状
 
つま先の形の事。主な形は以下のものだが、実際には中間的な形状のものも多数存在する。

「ラウンド・トゥ」:やや丸みを帯びた最もベーシックな形。
「スクエア・トゥ」:つま先が四角い形状のもの。
「ポインテッド・トゥ」:つま先が尖っているタイプ。
「バブル・トゥ」つま先がコロリと丸みを帯びているもの。通称オデコ靴。
「ロングノーズ」:トゥの部分が長めに仕上げられているもの。
 
 
(2)レースステイ
 
靴紐を通す「羽根」部分の事を指す。

靴のアッパー部の上にレースステイがあるのが「ブルーチャー」、内側にあるのが「バルモラル」と呼ばれる。前者はロシアの軍靴が由来、後者はビクトリア王女の夫が考案したとされる。後者の方がフォーマル度が高い。
また、甲が高い人にはレースステイの違いで靴のフィット感が変わる。バルモラルのほうがフィットはタイトになる。