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「シルエット、フィッティング」から見た
ジーンズ選びのポイント

ジーンズはカジュアルファッションの中でも最もポピュラなアイテムのひとつです。
ここでは、「シルエット、フィッティング」の観点から見た、ジーンズ選びのポイントを解説します。

 
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3.腰まわりの形について −2 ヒップの形について

ヒップについては、「日本人はアメリカ人よりお尻が小さいから501は合わない」と良く言われていますが、それはあくまで平均値での事です。日本人でもお尻の大きい男性はいっぱいいますので、「501は合わない」というのはお尻の小さい人についての事です。

もっとも、横幅同様、ヒップの形もジーンズの着こなしには重要ですので、お尻の小さい方は「腰まわりの小さいジーンズ」、お尻の大きい人は「腰まわりの大きいジーンズ」を選ぶ必要があるでしょう。

ヒップまわりはどんなジーンズでも唯一「立体裁断」をしている部分で、綿密なカッティングから形を作っています。
とても奥が深いので、ここではおおまかな傾向について触れてみたいと思います。

※日本人の場合、アメリカ人に比べ、「お尻が小さい」というよりは、「お尻にハリが無い(ぷりっとしてないってコトです。)」「お尻が縦に長い」などと実際には言われているようです。それらを克服するために、国内のジーンズメーカーはヒップ周りのカッティングにかなりの気合を入れて研究しているようです。

    (1)ヒップラインを構成する要素

ジーンズにおいてヒップラインを構成するのは主に2つの要素です。

「バック・ヨーク」
ポケット部とベルトラインの間にある2つの△の生地のことです。この生地のカッティングと他のパーツとの位置関係が腰とヒップの位置関係に大きく影響するそうです。
以下に一般的に言われている事を書いておきます。

@バック・ヨークの角度が深いとウェストとヒップのサイズに差が大きい。
Aバック・ヨークの大きさが大きいとお尻の大きい人向け、小さいとお尻の小さい人向け

「ヒップライン」
ヒップ周りの左右の生地の縫い目のライン。
広げるとまっすぐに見えたりしますが、畳んだ状態だと左図のようにあるラインを描きます。

@左:えぐられたような曲線
このシルエットは日本のメーカーに多く、おしりのぺったんこな人によくフィットすると言われている。また、ヒップアップ効果もある。

A右:まっすぐな直線
一般に「ダックテール」と呼ばれ、501がこのタイプ。
いわゆる黒人さんのような「ヒップが筋肉質でツンと尖った人」に良く似合うと言われている。
その尖った様が「ダック(あひる)テール」と言われる所存。
昔からあるカッティングで、実はあまり深く考えていないカットとも言える。(単なる直線ですから。)

 

  (2)ヒップポケットの位置

これは余談ですが、レプリカ系のジーンズはバックポケットが大きく、比較的下についているものが多いです。

左図は左が501-01で右がLevi'sREDの今期モノSTDFitです。
この2人はおおよそ同じ体型ですが、(赤○が実際のHip位置)ポケットが大きく下に付いている分、Levi'sREDの方がお尻が大きく見えます。(図の「X」寸法の事。)

正直、かつてのヴィンテージジーンズは決して「ファッショナブル」なデザインではありません。その為、忠実に復刻したレプリカであればある程このポケットのようにともすると体型を悪く見せるシルエット、ディティールになっている事もあります。

ただし、それは価値観の問題で、Pherrow'sなどのように「ヴィンテージの素材、造りと現代のカッティング」を取り入れて、味を出しつつファッション性も追求しているメーカーもあります。

ヒップまわりは、実はジーンズのフィッティングで一番難しいところかもしれません。
その理由のほとんどが「個人差」にある為、各メーカーも苦労をしているようです。

女性と違い、我々男性はあまりお尻の形にこだわる人はいませんが、やはり良く見えるに越したことはありません。
おおまかな傾向でも知っていればジーンズ選びに役立つでしょう。
尚、ヒップ周りが気になる方は購入前の試着は「必須」です。立体的な服であればある程着てみると思ってたイメージとは違っていたりしますから。

※男性の場合、カッティングに気を遣いつつも「あまりにも無駄な脂肪を貯めない」とか「それなりに運動してヒップまわりの筋肉を鍛える」ほうがかっこいい着こなしの一番の近道かも知れません。

 

4.太腿以下のシルエットについて

  (1)脚部の形について

脚のシルエットについて触れるにあたり、覚えておいて頂きたいのが「脚の形」です。といっても足先では無く、「太腿」と「ふくらはぎ」の事です。

自分の体を見ればすぐに分かりますが、実は脚は不均一な断面をしています。その中でもパンツのフィットに関係するのが「太腿」と「ふくらはぎ」なのです。

太腿は前後に長い縦長をしています。ふくらはぎは太腿に比べると前後と横の違いは少なく、太腿よりも細いものです。

このジーンズは501-01ですが、白い→にある通り、太腿部が太く、ふくらはぎ部は細くなっています。
実はこの形が実際に履いたときにはまっすぐに見える形なのです。このスタイルはトラウザースではもっと前からありましたが、ジーンズでは60年代あたりから一般的になったカッティングです。

 

「A」「B」

「C」「D」

 
(2)脚のシルエットについて

上記のように、現代の「ストレートジーンズ」の多くは多少裾に向かってテーパードしているものがほとんどです。

ここの4つのジーンズは以下のものです。
「A:501-01」
ややテーパードなストレート
「B:501XX」
太さの変化の少ないパイプドステムストレート
「C:517-02」
膝をやや絞っているがその後フレアするブーツカット
「D:CHIPIE PUNCH-UP」
典型的なバギーシルエット

「A→C」は、裾が「ストレート⇔フレア」に見える順番です。501XXのような真っ直ぐなシルエットはたとえストレートでも実際に履くとややフレア気味に見えるものです。

それは(1)にあった「ふくらはぎの細さ」のせいです。
真っ直ぐなストレートはふくらはぎの部分がいつも「遊んでいる」ので広がって見えやすく、結果フレアっぽくなるのです。

最近ではこの効果を狙ってわざと真っ直ぐなストレートを作っているブランドもあります。
 

ベルトライン以外、まったくフィットさせない「バギーフィット」「ルーズフィット」のジーンズ(写真「D」)は、そもそも「フィットさせない事で得られるリラックス感」が目的なので、(スーツの2ブリーツパンツと同じ発想)ここで書いているフィットの話はあまり役には立ちません。
バギーフィットのジーンズの場合も、ややテーパードなものからストンと落ちたまっすぐなストレートまでいろいろあります。

ちなみにバギージーンズの生い立ちですが、どうもきっかけは「2.腰まわりの形について 〜 (2)痩せている人の場合 〜 ウエストを上げてベルトで締める。」にあるようです。
元々ヨーロッパで生まれたらしいのですが、スーツに着慣れたヨーロッパ人が、ジーンズをもっと着慣れたスーツパンツのように楽に履けないものかと考えて生まれたシルエットだと聞いたことがあります。
初期のバギーは古着の501XXのHip部にダーツを入れたものから始まり、やがて全体のカッティングで工夫するようになったようです。いまでも女性用で股上の深いジーンズではHip部のポケット上にダーツが入っているものがめずらしくありません。

 
 
 
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