6.フィッティングのまとめ
各要素の話は以上になりますので、ここで一応まとめてみようと思います。
下図は「腰まわり~股上の浅さ、深さ」と「太腿まわり~タイト、ルーズ」の要素に対して、私が持っているもの、知っているもの、履いたことがあるものを501-01を中心にマッピングしてみました。
(あくまで個人の主観ですので、人によって多少の差異があります。ご注意下さい。)
一般にストレートジーンズでは「股上が深い=ルーズフィット」「股上浅い=タイトフィット」の傾向にあるようです。唯一股上が深くタイトフィットなのがブーツカットです。
※もしここに自分の履いたことがあるジーンズがあるのでしたら、そのジーンズを真ん中に見立てて他のジーンズとの関係を見てみて下さい。もしかしたらもっと自分にフィットするジーンズが見つかるかもしれません。
人の体型は千差万別ですので、よく雑誌にあるように「脚が短いと思う人に似合うのはこれ」とか「お尻が気になる人にはこれ」などと簡単にすむものではありません。
特に現代のジーンズは、ある意味「男の最もボディコンシャスな服」ですので(一番体に直接フィットしていて、露出面積も広い服)そんなに簡単に自分に合うものが決まるものではありません。
逆に考えれば、それを見つけるのも洋服選びの楽しみです。
また、腰まわりのところでも書きましたが、股上だって簡単に「深い」「浅い」と寸法が決まっているものではありませんので、自分の好みで「深いもの」「浅いもの」を持っても着こなしの幅が広がり楽しいものです。
しかしながら、冒頭にも書いた通り、今のジーンズはバリエーションがあまりにも多いので、自分にフィットしているものがどれなのか分かりにくい場合があります。
そのときは上の図の「中心」になる「自分の基準ジーンズ」を1つ決めて、それとの比較で考えるのがポイントです。最近はあまりしませんが、以前はよくジーンズショップで「基準ジーンズ」(大体お店にあるもの)との寸法やカッティングを比較させてもらったものでした。
尚、ジーンズは履いてゆくに従って「変わってゆくもの」です。
特にウェスト、ヒップ、太腿は履く人の体型、動きに応じて伸びるものです。(特に太腿には要注意!!)初めに買う際にはその点を考慮しないと、「買った時にはちょうど良いフィットだったのに1年経ったらなんかかっこ悪くなった」というのはよくある話です。
特にストレッチ素材の入ったジーンズについては、1年も履くとかなり幅が伸びてきますので、購入時は「ちょっときついかな?」ぐらいで大丈夫です。また、フィットやシルエットに対するあなたの価値観自体も時間と共に変化してゆくと思います。ただし、価値観が変わっても、「どう変わったのか」が分かっていれば自分なりのセンスやノウハウが蓄積されていきます。
7.参考~ジーンズの着こなし例
最後にジーンズの着こなし例をご紹介します。代表的なカッティングのジーンズを履いている写真を選んでみました。
①股上普通:シルエット普通
おおよそ501系のような極めてオーソドックスなストレートシルエット。
②股上普通:シルエット普通
こちらも501系のオーソドックスなストレートシルエット。
ジャストで履くと太腿の筋肉やシワが強調されて男らしく感じる。
③股上普通:シルエットやや太め
これはあのGucciのジーンズスタイルですが、割と太目のシルエットで、501XX系に近いと思います。
ちょっとだけ腰履き風にして、「G」マークのベルトが見えるようにしています。
ジーンズとジャケットを組み合わせているヨーロッパスタイルの典型的な着こなしです。
④股上やや深め:シルエット太め
これも③同様Gucciの写真です。
これは見た感じ③よりも太いジーンズのようで、ややバギーっぽい雰囲気があります。肩幅はかっちり押さえつつ、ジャケットの裾とパンツをひらひらさせる事でワイルド&エレガンスを醸し出している。
⑤股上浅め:シルエット細め
これはゴルチエの写真。痩せててスタイルがいいとこういうシルエットがホントにかっこよく着こなせます。
⑥股上浅め:シルエット細め
サンローランです。最近ジーンズに力を入れてます。
これも細めのストレートですが、Levi's505のようにやや強めにテーパーが掛かっています。
アタリを強く出したジーンズに白のジャケットを合わせているのがハイファッションらしい。
こうして見ても、色々なシルエットがあります。皆さんも色々な着こなしにチャレンジしてジーンズを楽しんで下さい。