styling report‎ > ‎

シャツのシルエット、フィッティングについて-1

1.はじめに

「ワイシャツ」の語源は「ホワイトシャツ」から来ているそうで、今で言う「白のドレスシャツ(カッターシャツ)」を差すものだそうです。しかしながら、「織物としてのメンズシャツの形」がおおよそワイシャツとほぼ同じである為、ここでは便宜上ワイシャツと書きました。以下、本編で「シャツ」とは布帛素材のシャツと思って下さい。
 

2.サイズの選択について

ほとんどのシャツは試着をする事ができないので、店頭で広げてみて自分に合ううかどうかを判断しなければなりません。そこで、ここで紹介する内容を覚えておくと、実際の購入の際に、大きな指針となるはずです。
サイズ選びのポイントは主に以下の5つになります。
 
①首周り
②肩幅
③ボディライン
④袖
⑤着丈

 

 

 


(1)首周り

シャツの首周り~衿周りです。
ドレスシャツの場合は「○○cm」と表記されている事が多いので自分にあったサイズをあらかじめ知っていればOKですが、カジュアルシャツの場合表記の無いモノがほとんどです。
そんな時は店員さんに聞くのが一番ですが、残念ながら店員さんでもあまり知らないケースもありますので注意して下さい。主なサイズを以下に記します。
 
「S:37~38cmM:39~40cmL:41~42cmXL:43~44cm」

 
また、サイズだけでは無く襟の高さ(カラー部分)もシャツによって違います。
元々は「ドレス志向~衿高め」「カジュアル志向~衿低め」というのが一般的でしたが、最近ではデザインであえて高い衿を取り入れるシャツも見られます。
左:高い衿。トップボタンが2個以上なのはクラシコ・イタリア風デザイン。
右:低い衿。ネクタイ着用を前提としない、カジュアルなシャツは低めの衿が多い。


(2)肩幅

肩はシャツの着こなしでも最も重要な要素です。
なぜかと言うと、自分の肩とシャツのカッティングの関係で全体の着こなしに大きな影響が出ると考えるからです。以下にそのパターンを記します。
 
A:ジャストサイズで着た場合
これは肩幅がちょうど良いサイズのシャツを着た場合です。
ジャストサイズの考え方はこちらを参考にして下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
B:オーバーサイズで着た場合
これは同じ服を一回り大きなサイズで着た場合です。
「赤」に注目して下さい。
ジャストの場合に比べ、ここに空間ができます。
つまりその分肩のラインが下に落ちてしまい、袖も全体的に下に落ちてしまいます。
また、着丈も長く見えてしまいますし、ボディ全体もルーズフィットになります。
 
 
 
 
 
C:痩せている人の場合
ジャストサイズ体型と同身長で横幅だけ狭い場合です。
彼も「B」同様、「赤」の分だけ肩が落ちてしまいますので、袖は長くなります。
また、全体のフィットもルーズなものになります。
ただ、全体の着丈はそれ程変わりません。
 
 
 
 
 
 
 
D:太目の人&小柄な人の場合
ジャストサイズ体型よりも「横幅が広い人」と「横幅が同じで身長が低い人」の例です。(どちらも同じなので一緒にしました。)
肩幅がジャストなサイズを選べば原則肩周りのフィットは変わりません。
ただ、着丈は長く見えてしまいますので、外出しには向きません。(パンツの中に入れる際は問題ありません。)
 
 
 
 
 
 

では「Aパターン以外はすべてダメ」かというとそうではありません。
シャツによってはあえてB、Cのような着こなしを奨励しているブランドもありますし、着こなしのスタイルであえて変えている人もいます。最終的には「好み」です。ただ、肩幅とのマッチングで他にも色々影響が出る事を覚えていただければ良いかと思います。
※比較的高価なドレスシャツの場合は、最低「首周り」と「裄丈(おおむね肩幅の半分+袖丈)」の実寸(cm)がタグに表示されています。自分の体型にあったこれらの寸法を覚えておくと、買い物をする際に重宝します。