4.Tシャツの着こなしテクニック いろいろ
ここからは、Tシャツを着こなす上でのコツや気をつけたいことをいくつか紹介していきます。
(1)Vネックの扱いについて
元々は女性向けのカット&ソーであったディティールですが、今はメンズのTシャツでも一般的になったのがVネックのTシャツです。
Vネックのメリットはクルーネック(丸首)と比べ、ネックまわりに変化をつけられる事や、胸元が開くので涼しさがUPするなどです。
しかし最大の魅力はワイルドさを演出できる事でしょう。左にネックが浅いタイプと深いタイプの比較をしました。スポーティに着こなすなら、左側のVがネックが浅いタイプ(着丈の1/5程度)、ワイルドに着こなすなら右側のVネックが深いタイプ(着丈の1/4~1/3程度)が良いでしょう。
(2)シャツやジャケットとの組合せ
肌着以外のTシャツをシャツ(ドレスシャツなど)やジャケットのインナーとして着る事もよくあると思いますが、この場合には以下のことに注意しましょう。
①はTシャツを「見せることを前提とした、最も内側のインナー」として扱いながら、その上にシャツを羽織っている場合です。
春夏に多い着こなしですが、ジャケット代わりにドレスシャツを使っているので、アウターがドレスシャツ、インナーがTシャツとなります。
対して②の場合はドレスシャツの前身頃のボタンを閉じている為、ドレスシャツがインナーと同じになってしまいます。そうなると、Tシャツは肌着と同じ立場になってしまう為、写真のようにネックが見えてしまうのは良くありません。こういった着こなしの場合はVネックを合わせる等して、中のTシャツがドレスシャツの邪魔をしないように注意しましょう。
尚、③はジャケットのインナーとしてTシャツを合わせた場合です。アウターとインナーの関係がはっきりしている為、これは、問題ありません。
むしろ、この場合は「Tシャツを見せる事」を前提として、肌着のシャツを合わせてはいけません。
(3)パンツとの組合せ
パンツとの組み合わせにおいては、パンツのベルトラインとどう付き合うかがポイントとなります。
ベルトラインを意識させるような着こなしはウエストをはっきりさせる事でシャープな印象を与える効果があります。その方法は主に左の3種類があります。
①着丈が短いシャツを外出しで着る。
最もポピュラーな方法ですが、自分の体型に合う着丈が無い場合には、やりにくい着方です。
②タイトフィットのシャツをパンツの中に入れて着る。
ヨーロッパのコレクションでは普通に見られる着方ですが、日本ではアメカジの影響からか、あまり見られない着方です。ただし、上手に着こなせればシャープで綺麗なシルエットが生まれます。(左下写真参照)
③ベルトのバックルにシャツを引っ掛ける。
少々丈が長いTシャツの場合によく使うテクニックです。やや太めでバックルが大きいベルトを締めれば比較的簡単にできる方法です。
ただし、この場合も着丈はせいぜいヒップポケットあたりまでのものにしないと、あまりに丈が長いものの場合、前と後の長さが異なり見た目が悪くなります。
ここで、気をつけたい着方を紹介します。
②のようなタイトフィットではなく、ゆったりしたサイズのTシャツをパンツの中に入れると、左の写真のようにベルト上でTシャツがダブついてしまいます。このだぶつきが多いと、カジュアル感が弱まりますし、だらしなく見えますので、注意しましょう。赤い点線のだぶつきに注意です!!
(4)やってはいけない事
ここでは押さえとして「やってはいけない事を紹介しておきます。
左の写真は「ゆったり着ようとしてオーバーサイズのシャツを着てしまった例」です。
本当はもう1サイズ小さいサイズが丁度良いのですが、肩のラインが落ちてしまったり、ヒップはすっかり隠れてしまうぐらいの着丈になっています。
HIPHOP系ではわざとこのようにだぶついた着こなしをするものですが、そうでない場合はもっと小さいサイズを選ぶべきでしょう。
もうひとつ紹介します。
左の写真はプリントTシャツをタイトに着ているケースです。
プリントシャツはプリントされた絵や文字がデザインのポイントですので、あまりタイト過ぎるサイズやシルエットの場合、肝心の絵が伸びてしまいます。また、太めの人の場合、体型の太さをより強調してしまう場合がありますので、ご注意下さい。
プリントシャツはくれぐれもジャストサイズで。
5.さいごに
Tシャツが冒頭に述べたようにカジュアルファッションの代表アイテムであるのは、着こなしの自由度の高さとメンテナンスのしやすさ、手頃な価格にあります。半面、気を遣わずに何の気なしに着てしまいがちなアイテムとも言えます。しかしながら、Tシャツは肌に直接着る服ですので、体型に最も左右される服=ボディコンシャスな服のひとつです。
何の気なしに買ったTシャツなのに、どうもサイズやシルエットが気に入らなくてあまり着ないケースってありませんか?こういう場合は多くが自分の体型と相性が悪い為なのです。
自分の体型に合い、且つ自分がしたい着こなしにマッチしたTシャツを探すのは以外に容易ではありませんが、見つかった場合はこれまで着ていたTシャツとの違いがよく分かるはずです。是非ご自分の体型や手持ちのTシャツを今一度見直して、自分の好みのシャツを探してみてください。
また、他の服と同様、着丈、肩幅、身頃など、自分の好みのサイズを覚えておくと購入時に役に立ちます。