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コーディネート 組み立ての基本-2

3.実際のコーディネートの組み立て方

では、これらの3つの要素を踏まえ、実際のコーディネートの組み立て方を考えてみましょう。
要素が3つあるので、この3つの要素のどれか1つから決めていく訳ですが、どの要素から決めるのが
良いのかは特に決まりはありません。
ただし、私の経験則からは主に以下の2つの順番がやりやすいと考えています。

(1)「シルエット」⇒「アイテム」⇒「色、柄」

ゼロベースでコーディネートを考える際は、この順番が最も無難な流れと思います。
理由ですが、3つの要素において、「全体のシルエット」が「最もごまかしの効かない要素」だからで
す。
アイテムの組み合わせは「着崩し」としてあえてバランスを壊す方法がありますし、色や柄については
コーディネート完成後にスカーフやバッグ、靴などの小物でバランスを取る方法があります。
しかし、全体のシルエットやフィットについては一度決めてしまうとその後の調整はあまり効きません
。もし崩れてしまった場合、ボディライン全体を覆うコートでも着ない限りごまかせませんし、それではコーディネートの意味がなくなります。
その為、「最もごまかしの効かない要素」である「全体のシルエット」を先に決め、その後で他の要素
を決めていく方法が最も失敗の少ないコーディネートの組み立てとなります。

(2)「アイテム」⇒「シルエット」⇒「色、柄」

そのときのコーディネートにおいて、身に着けたいアイテムが1つもしくは複数既に決まっている場合
です。その際は既に取り入れるアイテムが決まっているので、そのアイテムを軸にコーディネートを組
み立てます。
次は決まっているアイテムに肉付けをするようにしてシルエット、色&柄の順番で要素を決め、全体を
まとめていきます。
一見取り入れるアイテムが決まっているので、コーディネートが簡単なように思えますが、身に着ける
と決めたアイテムと、自分の他の手持ちアイテムの相性(シルエット、色など)が悪い場合はコーディ
ネートが成立しにくい、また手持ちアイテムが少ない場合は毎回似たような組み合わせになるというデ
メリットがありますので、ご注意ください。

(3)効率良くコーディネートを組み立てるコツ

コーディネートの組み立ては、難解なパズルを組み立てる作業のように高度な思考が要求されます。し
かもやっかいな事に、物理や工学の方程式のように正解がありません。
そこでコーディネートを効率良く組み立てるポイントですが、「できるだけ考える要素を減らす」事で
す。
 
理屈を分かりやすくする為に3つの要素に集約しているものの、個々の要素も深堀するときりがありま
せん。もちろん個々の要素をさらに深く知ることでコーディネートに柔軟性が生まれ、さらにレベルア
ップが図れるのですが、まずは要素をシンプルにすることから始めるほうが成功率が高まります。
以下は要素を固定するテクニックの一例です。
  • 自分のお気に入りのシルエット、フィット感を決めておく。
  • 定番アイテムは色、フィット感、素材を固定しておく。
  • 色はベーシックカラーを中心にそろえる。
  • 個々のアイテムに関する「その服を持っている意味合い」を明確化しておく。
    また、そのアイテムに対する自分なりの「用途」「扱い難易度」を決めておく。
  • あらかじめ実際のコーディネート例をいくつか考えておく。
    これにあわせて、手持ちのアイテム内で「アイテム間のコーディネート相性」を決めておく。

4.さいごに

ここではコーディネートの組み立て方の概要について触れました。
このコーナー「styling report」では、ここで触れた3つの要素に関するより細かな情報を多数掲載し
ています。
 
(1)全体のシルエット
(2)組み合わせるアイテム
(3)色、柄の組み合わせ
 
より詳しいコーディネートのコツや着こなしのテクニックを知りたい方は、当コーナーの各ページにつ
いてご自分の不得意な分野、あるいは興味のある情報からご覧ください。