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目的にあわせたコーディネートの実例 トラベルコーディネート-1

1.はじめに

旅行をする際には、旅先で着替える為の洋服は欠かせません。特に一週間などの長期旅行となると、その量も多く
なり、大荷物になります。
反面、旅行は移動を伴うものなので、大荷物は旅のフットワークに影響します。
その為、旅行に際して用意するコーディネートは普段以上に効率の良さが求められます。

そこで、このコーナーではT.P.O.別コーディネートのひとつとして、「旅行に行く際を想定したコーディネート= トラベルコーディネート」の考え方、コーディネートの例について紹介します。
尚、ここでは最も身近な「公共交通機関を利用した2泊程度の小旅行」を例にとっていきます。

2.コーディネートの考え方とアイデア

自動車で移動ができる旅の場合は、車中に荷物を積んでおけば良いのですが、電車、バスなど公共交通機関を移動手段として利用する場合、荷物が多くなると旅の移動の妨げになります。
よって、トラベルコーディネートの基本的な考え方は「効率的」のひとことに尽きます。
2泊と言えど、同じコーディネートばかりを続ける訳にはいきませんから、組み合わせの多様性を重視し、以下のような服の選び方となります。

  • ベーシックなアイテムで構成する。
  • シンプルでミニマルなデザインとする。

また、以下のような服を選ぶことで、効率性や快適度が上がります。

  • しわになりにくい素材の服を選ぶ。(形態安定素材、ニット素材など)
  • 吸湿性、通気性に優れた素材、生地のものを選ぶ
  • 丈夫で耐久性のある素材
  • 動きやすいストレッチ素材
  • ポケットが多めで収納性のある服
  • スナップボタンなど、物の出し入れが容易なポケットがある服

逆に、旅行に向かない服はこのようなものです。(おおむね上記の逆の服となります。)

  • 華奢で繊細な素材の服
  • 過度に凝ったディティールを持つ服
  • ポケットがない等、収納性に乏しい服
  • 吸湿性が悪く、蒸れやすい服
  • 生地が硬く、疲れやすい服

尚、旅行とは言え、シンプルな服のみの構成だけではコーディネートが寂しくなる場合は、ストールやマフラー、 ベスト、帽子など、あまり荷物にならない小物を加えることでリカバーする方法もあります。

3.活動内容とコーディネートの例

では、上記を元に、数時間で行ける観光地への2泊旅行を想定した具体的な例を紹介しましょう。

まずは旅行における活動内容と、その時のコーディネート例を下表に示します。
※肌着や靴下などは省略しています。

活動内容 コーディネート例
1日目 AM 旅行のメンバーが集合し、電車で出発 ジャケット+セーター①+ジーンズ
PM 昼食は乗車前に購入した駅弁で。
車内で歓談やゲームなどを楽しむ。
同上
Night ホテル、旅館にチェックイン。
ホテルで夕食を食べ、その後ホテル内で宴会をする。
Tシャツ+カーディガン+ジーンズ
※ホテルの浴衣に着替える場合もあり。
2日目 AM この日は現地観光。名所や博物館めぐりなどをする。 ジャケット+セーター②+ジーンズ
PM 観光先にて昼食を取り、引き続き観光を楽しむ。 同上
Night 一度ホテルに戻り、地元の有名な食事処にて会食。会食後はホテルで就寝。 シャツ+カーディガン+綿パンツ
3日目 AM 遅めに起床し、チェックアウト。 ジャケット+ニット①+綿パンツ
PM 現地で昼食&お土産を購入。
帰りの電車で歓談~解散。
同上

ここで登場している服は以下の通りです。

<アウター>

  1. ジャケット

<ミドル、インナー>

  1. ニット①
  2. ニット②
  3. カーディガン
  4. Tシャツ
  5. シャツ

<パンツ>

  1. ジーンズ
  2. 綿パンツ

この8つの服で3日分のコーディネートをこなします。
また、このうち「a.ジャケット、b.ニット①、g.ジーンズ」は出発時に着用しているので、荷物になるのは「c.~f.」「h.」の5アイテムだけとなります。これに肌着の着替えを2日分加えても、一般的なトラベルバックにはに収納できる量です。