ここでは上で紹介したものから、主に使われる「4つ穴ボタン」の縫い方を紹介します。4つ穴ボタンの縫いは主に下のこの2つです。左が平行縫い、右がクロス縫いと言われます。
以前は右が機械で縫う簡便な生産方法、右が手縫いでしかできない難しいが丈夫な縫い方と言われました。しかし今はクロス縫いも機械で縫う為、ユニクロのシャツもクロス縫いになっています。
しかも人によっては「クロスさせるとそこが盛り上がり擦れるので糸切れが早い。よって平行縫いにすべし」という方もおられます。
これはジャケットのボタン。
ジャケットの様に厚みのある服を止めるボタンの場合はこのようにしたの生地との間に一定の間隔を設けるようにしています。
ボタンを通す穴を「ボタンホール」と言います。これにもいくつか種類があります。
両止め穴かがり
最もオーソドックスなボタンホールで、主にシャツなどの薄手の素材のものに使われる。
元々は止め側が片方だけにある「片止め」に対して、両サイドを止める事からこう呼ばれるが、今はミシンで自動縫製される為、鳩目(下)以外のほとんどのボタンホールはこれです。
鳩目穴かがり
厚手の生地につける場合によく使われる。
ボタンを通しやすくする為、「鳩目穴」と呼ばれる穴を先に開け、その周りをステッチ掛けしたもの。
上はスーツの上着のボタンホール、下はGジャンのボタンホール。
基本的な形は同じですが、右の「止め側」(丸くないほう)の処理が異なります。
一般的には上の方が高級な服、下のほうがカジュアルな服に使われているようです。
玉縁ボタンホール
上の2つのように糸による穴かがりをせずに、洋服の生地をそのまま使って「玉縁」処理したもの。女性用の服に多く、メンズではあまり見られない。
ご存知の通り、ジーンズに代表されるデニムウェアは「丈夫」である事をモットーとしており、ボタン等のパーツも通常の服とは違う特殊パーツが使われています。
ここではそれらを紹介します。
ジーンズ用ボタン
左からオーソドックスなノーマルタイプ、1ピースドーナツボタン、2ピースドーナツボタン。
真ん中の「1ピースドーナツボタン」が最も古いタイプの構造。
最近のドーナツボタンは1ピースのふりをした2ピースのものが多い。
下は各々のボタンについていた止め用の爪だが、1本のものと2本のものがあり、商用パーツでは2本タイプが多い。
おまけ、リベットです。
全然ボタンとは関係無いですがジーンズ繋がりで参考において置きます。
左はオーソドックスなタイプ、右はヴィンテージによく見られる「打ち抜き」タイプ。これはどちらも銅素材のものだが、他の素材のものもある。